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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第12章 壊れてしまえば


「どちらですか?」

「私、橘美波と申します。
加奈さんの高校の教師です。
ここ数日無断欠席が続いているようなので、様子を伺いに参りました。」

「あぁ、加奈…ね。」



頭をポリポリとかきながら、母親は面倒くさそうに返事をする。

正直、この女性から彼女が生まれたとは信じがたい。

誰もが振り返るほどの美少女である彼女。

切れ長の目元は似ていなくもないが、あまりに雰囲気が違いすぎる。

彼女の母親は…どこか疲れきった様子がにじみ出ていた。



「伝えておきます。」

「いえ。」

「他に何か?」

「出来れば加奈さんにお会いしたいんですが。」

「…別に良いですよ。」



彼女の母親はそう言いながら、玄関に散らかっている靴を足で片付け始めた。

「おかまいなく。」と玄関へ入ると、部屋のほとんどが物で埋めつくされている事に驚く。

足の踏み場もない…とは言わないが、物が多いのだろうと感じてしまうレベルだ。



「加奈の部屋は二階の奥です。勝手にどうぞ。」



彼女の母親はそう言って、リビングへと消えていく。

リビングのテレビからは大音量でワイドショーが流れていた。






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