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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第12章 壊れてしまえば






髪を乾かしリビングへと戻ると、高杉さんがソファーでうたた寝をしていた。

付けたままのテレビ。

腕を組みながらソファーの背もたれに身体をあずけている。



こんな無防備な姿を見ても、私の心がときめく事はない。

the IVYのボーカリストとしての高杉さんには魅力を感じているが、正直…男としての高杉さんには興味すらなかった。

不思議なほど…異性を感じない。

例えるなら、年の離れた兄のような存在だ。



ソファーの横にしゃがみ込み、高杉さんの寝顔を見つめた。

中性的な美しい顔立ち。



ふと、以前テレビのバラエティー番組で女性タレントが言っていた言葉を思い出した。

“恋の傷を癒すのは新しい恋だ”と。



私には理解出来ないとその時は思った。

もしこの言葉が本当ならば、恋人というのはいつでも“交換可能”な存在になってしまう。

“上書き”をするように恋をする。

便利ではあるが、気持ちはついてこないだろう。






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