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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第12章 壊れてしまえば


「出て行ったんだよね。」

「え?」

「同棲してたの。
二人と“一匹”で。」

「…女性ですか?」

「そう。猫好きの女子アナ。
何か俺といるとみんなダメになっちゃうらしいよ。
ツアーから戻ったらもういなくなってた。」



そう笑いながら話す高杉さんに胸が痛くなった。

恋人という関係はこうも簡単に解消出来るものなのか。

あまりにも似通った状況。

しかし、高杉さんの場合はただの“男”と“女”。

私と佐久間さんの関係とはまた違う。

“辛い”という感情に優劣をつける訳ではないが、私達の育んできた愛はとても“グロテスク”だ。



「…笑いながらする話じゃないですよ。」

「泣きながらした方が良かった?
俺が泣いたら、先生が慰めてくれる?」

「…それは。」

「先生が優しく抱いてくれるなら、いくらでも泣いて甘えるけどね。」



高杉さんはいつものように私をからかう。

私はペットボトルのキャップを開け、水を一口飲み込んだ。

少し…冷静にならなければいけない。

そう自分に言い聞かせた。






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