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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第12章 壊れてしまえば


携帯電話の電源を入れると、5件の不在着信と1件のメッセージが残されていた。

相手は…佐久間さんしかいない。

何も告げずに出て来たのだ。

優しい佐久間さんの事。

きっと必死で私とコロを探しているに違いない。



しかし、今はそんな佐久間さんの優しさが辛い。



留守番電話を聞く事も、メッセージを開く事も出来ない。

激しい頭痛と吐き気に襲われる。

もう立つ事すら出来ない。

私はゆっくりとその場にしゃがみこんだ。



その時だった。



手の中の携帯電話が鳴り出した。



ブルブルと震える振動。

思わず手から滑り落としてしまいそうになる。

相手は…佐久間さんだろうか。

どうしても、今は佐久間さんと話をする気にはなれない。



鼓動を早める心臓はもはや恋などではない。

強い拒否反応。

私の心は…私の身体は、佐久間さんという存在を激しく拒絶しようとしているのだ。






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