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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第11章 目眩がするほど


数冊のアルバムを手に取り、畳の上に座る。

正直、祖父と写真を撮った記憶はなかった。

残念ながら祖父との思い出は、どれもつまらない物ばかりだ。



幼い頃は忙しい母の代わりに、祖母が私の面倒を見てくれていた。

優しい祖母とは違い、祖父はいつも不機嫌だった事を覚えている。

私の存在をどこか疎ましく思っているのだろう。

そう子供ながらに感じていた。



居心地の悪さから、小学校へ上がる頃にはおのずと足が遠のいていった祖父母宅。

テレビの音楽番組が観たいと押し掛けた事もあったが、「今日は帰りなさい」と祖父に追い返された。

祖父にとって…私は“たった一人の孫娘”だ。

本来ならばもう少し大切にされても良かったと思う。



しかし…祖父にとって私は“たった一人の娘”の人生を狂わせた原因にしか過ぎなかったのだろう。



私さえ生まれなければ、母は普通に結婚をし、普通の幸せを手にいれていたはずだ。

きっと祖父は私を…私の“父親”を憎んでいたに違いない。






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