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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第11章 目眩がするほど


教室のドアを開けると、いつもとは違うピリついた雰囲気に驚いた。

男子生徒が黒板を囲み、何やら揉めているようだ。

チャイムはとっくに鳴っている。

「早く席に着いて下さい。」

そう男子生徒達へ声をかけたが、従う様子はない。



教室の後ろでは女子生徒達が戸惑いの表情を浮かべていた。

生徒同士のほんの小競り合いだろうか。

…なるべく揉め事には関わりたくはない。



「席に着いて。」



しかし、生徒達には私の言葉など届いていないようだ。

教室を見渡す。

生徒達の視線はある一人の女子生徒へと注がれていた。

後ろの席に座り、長い黒髪を耳にかけ、教科書を開く彼女…。



小松加奈。



最近ではこうして授業をするだけの付き合いとなっていたが、彼女が一体どうしたと言うのだろうか。

彼女の友人であったはずの女子生徒…朝倉瑠美も遠巻きに彼女をじっと見つめていた。



「だって、俺昨日見たんだよ。
小松と村瀬が車に乗ってる所。

あんな時間に二人でどこ行ってたわけ?」



男子生徒の言葉に驚き、とっさに黒板を見る。



『小松加奈と村瀬直紀は付き合っている』



黒板一面に大きな文字でそう書かれていた。






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