第11章 目眩がするほど
「ねぇ、先生の“お友達”って隣にいた綺麗な娘?」
「あっ、はい。
同僚の愛美先生です。」
「すごく楽しんでくれてたみたいで良かったよ。」
「愛美先生は…学生時代からずっとアイヴィーのファンなんです。」
「嬉しいよ。
今でも好きでいてくれて。
そういう人達の存在で俺達はすごく救われてる。」
高杉さんの真剣な表情を見たのは初めてかもしれない。
いつもふざけてばかりの高杉さんが見せた新たな一面。
佐久間さんと同様、高杉さんも降り幅がある人だなと、洗ったレタスを皿に盛り付けた。
「ねぇ、先生。
その愛美先生はさ、サクちゃんと先生が付き合ってるって知ってるの?」
高杉さんはいつも核心に迫るような質問をする。
やはり…そこが気になるのだろう。
黙りこくってしまった私の顔を、高杉さんは覗き見る。
「あれ?もしかして言ってないの?」
「それは…。」
「先生ってすぐ顔に出るタイプだよね。
動揺してる。」
そう笑いながら、高杉さんは私の頭をクシャクシャと撫でた。