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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第11章 目眩がするほど


「それにしても橘先生、うらやましい。」

「え?」

「だって佐久間さんにキスされたんだよ?」

「…そうですね。」

「手の甲とはいえ、キスはキスじゃない?
私も高杉さんにキスされたいなぁ。」



愛美先生は机に頬杖を付き、ため息を吐く。



あの日、シャワーを浴びてリビングへ戻ると、佐久間さんがキッチンで水を飲んでいた。



「おかえり。」そう微笑みながら、そっと抱き締められた。



まるで飼い主の帰りを待っていた子犬のよう。



きっと佐久間さんに尻尾があったなら、勢いよく上下左右に振っているのだろう。



ライブの最中、手の甲へとキスをした件については一切触れる事はなかった。



洗い立ての髪を乾かし、スーツを切ると急いで家を出た。



「帰って来たらしようね。」

そう甘い言葉とともに優しいキスをもらった。






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