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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第10章 まばたき●


曲が進むにつれ、ライブの雰囲気にも慣れてきた。

正直、三曲目までは全く記憶が無い。

意識が飛ぶほどの興奮状態。



今のところ知らない曲は一曲もない。

それもそのはず。

愛美先生からはアイヴィーの全てのアルバムを借りて聴き込んだからだ。



演奏、歌声、パフォーマンス…照明の細部にいたるまで、一瞬で魅了させられてしまった。

それと同時に、高杉さんのMCでは相変わらずの話術で思わず笑ってしまう。

the IVYが持つ魅力の全て。

まばたきをするのも忘れ、その一瞬一瞬を心に刻んだ。



「次は皆さんの一番“感じる”ナンバーです。」



ライブもいよいよ中盤。

そんな高杉さんの言葉から始まったのは、アイヴィーの中では最も激しいとされるロックナンバーだった。

赤くギラつく照明を全身に受け、唸るようなギターが鼓膜を震わす。



マイクスタンドからマイクを外すと、高杉さんはステージ下手側へと走り出した。






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