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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第10章 まばたき●


愛美先生のおかげで、私は今こうして日本武道館でアイヴィーのライブを観賞出来る事になった。

そのため、高杉さんが言っていた関係者席での観賞は断った。

初めて観るアイヴィーのライブ。

先ほどから、期待で胸は高鳴るばかり。



辺りを見渡せば、美しく着飾った女性の姿ばかりが目につく。

皆、雰囲気のある素敵な女性。

もちろんスーツ姿のサラリーマンやグッズのツアーTシャツを着た若い男性も大勢いるのだが、きらびやかな女性達に思わず目がいってしまう。

当然ながら隣に座る愛美先生もいつもとは雰囲気がかなり違う。

ラフなアップスタイルに赤い口紅、派手目なワンピース。

そんな愛美先生の横で、私はまるでお葬式にでも行くかのような黒いワンピースを着ている。



こんな所に来てまで私は自分に“劣等感”を感じるのか…。

いや、今日はそんな感情など皆無。



私にとって特別な存在である佐久間さんが、私を特別な存在として扱ってくれるのだ。



私にだって“価値”はある。



自尊心の低さが取り柄のような私であったが、佐久間さんのおかげでそう思えるようになっていた。






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