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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第10章 まばたき●






きっと…私は“否定”され続けた自分の存在を、愛する佐久間さんによって“肯定”されたかったのだと思う。



ソファーの上、横になる佐久間さんの身体に覆い被さるように寄り添う。

冷えた身体に白いシャツを掛けただけ。

窓の外を眺めながら、ただ裸のまま抱き合っていた。



「…ごめんなさい。」

「何で謝るの?」

「何だか…自分本位でした。」

「自分本位?俺もしたかったから良いんだよ。」



優しく髪を撫でる佐久間さんの胸に頬を寄せる。

乱れていた心を、佐久間さんの心音へと重ね合わせるかのように整えた。



しかし、頭の中には高杉さんが言っていたあの言葉があった。



「the IVYのギタリスト、佐久間俊二が彼氏ってどんな感じなのさ?
“優越感”みたいな?」

「じゃあ、不安?
モテモテのサクちゃんをテレビで観て嫉妬しちゃうとか?」



“優越感”と“嫉妬心”。

やはり今の私には無縁だと思う。

先ほど感じた佐久間さんに対しての強い“独占欲”。



それはきっと…“優越感”や“嫉妬心”などからではなく、自分への強い“劣等感”からだった。






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