第10章 まばたき●
それと同時に、急に恥ずかしさが込み上げてきた。
「…誰かに見られたら…。」
「ここより高い建物は近くに無いから見えないよ。」
「でも…。」
「気持ち良いんでしょ?」
「…あっん。」
腰に添えられていた佐久間さんの手が伸び、私の秘部の突起を刺激し初めた。
感度の高まる膣内に、思わず声を漏らしてしまう。
肌と肌がぶつかり合う乾いた音。
その音に重なり合う粘膜の擦れる音。
どうしてこんなにも感じてしまうのだろう。
一体何度絶頂を迎えれば私の身体は満足するのだろうか。
何度でも何度でも味わいたい。
佐久間さんの声を…甘い吐息を…汗に濡れる黒髪を…肌の熱さを…細長い指の感触を…全てを感じていたい。
「…イクよ。」
「あっあぁぁぁんっ。」
脚がガクガクと震える。
立っているのがやっとだ。
そんな快感の波に飲み込まれる私の身体から佐久間さんは陰茎を引き抜き、避妊具の中に精液を吐き出した。
強く強く後ろから抱き締められる。
汗ばむ佐久間さんの腕。
その腕に、私はそっとキスをした。