第10章 まばたき●
「…手でして。」
そうささやきながら、佐久間さんは繋いだ手を自身の陰茎へと添わせた。
唾液の絡まる熱い陰茎を右手で握る。
先端を口に含ませながら、佐久間さんに言われるがまま上下へと手を滑らせた。
「…上手だよ。」
息を吐くかのような艶のある声。
その声につられ、私の口からも思わず声が漏れる。
髪を優しく撫でられながら、佐久間さんの熱く硬い陰茎を愛撫し続けた。
いつも受け身であった私のセックス。
そんな私は今…全ての主導権を握っているかのようだ。
こうして佐久間さんの“感じている顔”をずっと眺めていたい。
忘れる事がないよう、佐久間さんの匂いを…味を覚えたい。
私の身体に、佐久間さんを染み付けたい。
佐久間さんは私だけの物。
そして、私も…佐久間さんだけの物。
「…ごめん、イキそう。」
そう言いいながら、佐久間さんは私の頬を両手で包み込み、口を離すよう促した。