第10章 まばたき●
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「へぇ~、その“先生”にCD借りたんだ?」
興味深そうに高杉さんはカレーを食べる手を止めた。
三人で食卓を囲む。
赤ワインを開け、カレーライスと簡単なマリネで乾杯をする。
話題はおのずとアイヴィーの事になった。
私がいつアイヴィーを知ったのか…高杉さんは気になるようだ。
「ドラマの主題歌…insomniaを聴いて素敵だと思ったんです。
そしたら、愛美先生がアイヴィーのファンで。」
「愛美先生って独身?」
「え?」
「今呼んでよ、愛美先生。」
そう冗談まじりに高杉さんは笑う。
もし、この場に愛美先生がいたら…嬉しさのあまり気絶してしまうかもしれない。
そんな事を思いながらカレーを口に運んだ。
「先生、今度ライブ来てよ。」
「…ライブですか?」
「そう。観た事ないでしょ?」
「はい。」
「最高の“ROCK SHOW”を観せるよ。」