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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第10章 まばたき●


今のところ私には“優越感”も“嫉妬心”も無い。

あるのは佐久間さんの正体を知れたという安堵感。

高杉さんが心配しなくとも、私にはその類いの感情は無縁だ。



「何かあったら相談にのるよ。
もちろんベッドでね。」



ニタニタと微笑む高杉さんにはもう返す言葉が無い。

「そうですね。」と事務的に応える。

高杉さんは私の反応を見て面白がっているだけなのだから、こちらもそれに合わせて対応させてもらおう。



「ねぇ、先生。
“それ”ってカレーに入れるの?」

「え?」

「そのホタテ。生食用でしょ?」



カレーの材料を鍋に入れる私の横で、高杉さんは不思議そうに首をかしげる。

何かおかしい事でもあるのだろうか。

北海道の港町で暮らす母は、カレーには決まってホタテを入れてくれていた。

母の営む喫茶店でも、ホタテの入ったカレーは人気メニューになっている。



「ホタテ…おかしいですか?」

「もったいなくない?
せっかく刺身で食べられるのに。」






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