第9章 甘い嘘●
頬を両手で包まれ、何度も何度もキスをされた。
佐久間さんのお腹の上で眠っていたコロは、いつの間にかいなくなっていた。
舌を絡め合い、唇を重ね合う。
いつになく激しい佐久間さんの口付けに目眩がする。
“どこにも行かないでよ”
そんな事を言う人だとは思っていなかった。
いつもマイペースでつかみ所が無い佐久間さん。
そんな佐久間さんは、荒々しい手つきで私の服を脱がしていく。
戸惑いは無い。
早く佐久間さんと一つになりたかった。
クチュクチュと唾液の絡まる音が欲情を誘う。
シャツからのぞく火照った肌を、佐久間さんの手が撫でていく。
触れられた場所が更に熱を帯びる。
「…優しく出来なくてごめん。」
佐久間さんはそう言うとソファーから起き上がり、私の身体を抱き上げた。