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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第9章 甘い嘘●


心が乱れ、揺れ動く。

生きている心地がしない。

確かな何かがあれば良い…。

佐久間さんが私に嘘をつこうとも、恋人である事に変わりはないという確かな何か。

私の心を落ち着かせる事が出来るもの…



静かに寝息を立てる佐久間さんの唇にそっと口付けた。

今私が出来る事といえばこの位しかない。

本当は今すぐ抱き合いたかった。

乱れた私の心を落ち着かせてくれるのは、やはり佐久間さんなのだ。



柔らかな黒髪をそっと撫でる。

きっとこの可愛いらしい寝顔は昔から変わらないのだと思う。



放課後の保健室で愛美先生に観せてもらった24年前のアイヴィーのミュージックビデオ。

とても美しい顔立ちだとは思ったが、どちらかと言えば今の佐久間さんの方がタイプだ。

色気の中に渋さがあり、とても素敵に年齢を重ねていると思う。



顎の髭をなぞり、そっと唇に触れる。

もう一度…

私はその唇にキスをした。






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