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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第9章 甘い嘘●


“お仕事って…“



そう訪ねた私に佐久間さんは少し戸惑った表情を浮かべていた。



余計な質問だっただろうか。

さすがに立ち入りすぎたかもしれない。

気を悪くさせてしまったか…。



そう思ったのを良く覚えている。



しかし佐久間さんは少し考える素振りをし、こう答えた。



“美容師だよ”



今思えば、あれは考えた挙げ句の嘘だったのかもしれない。

もしかすると迷っていたのかもしれない。

嘘をつくべきか、正直に話すべきかを…。



寝室へ行き、毛布を持ってくる。

相変わらず年齢を感じさせない可愛いらしい寝顔だ。

身体に毛布を掛け、佐久間さんの顔をのぞき見る。



佐久間さんがアイヴィーのギタリスト…。

未だに嘘のような話だと思う。



そもそもアイヴィーのギタリストならば、私のようなただの高校教師を相手になどするだろうか。

モデルに女優、アナウンサーにアイドル。

相手はたくさんいるだろう。

私は…恋人ではなくただの“セックスも出来る家政婦”。

卑屈な心がまた顔を出し始めた。






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