第9章 甘い嘘●
「本当に夢みたいだよね。」と愛美先生は笑う。
そんな愛美先生に「再結成した後のライブ初日は震えたよね。」とユカさんも笑った。
「だからさ、橘先生みたいな若いファンは貴重だよ。
だって、“今”のアイヴィーを好きになってくれたって事でしょ?
今も昔もこれからもアイヴィーはずっと格好良いんだから。」
最高の笑顔でユカさんはそう言った。
何て素敵な事なのだろう。
アイヴィーの音楽がこんなにも人を幸せにしている。
「まなみん、でも彼氏が出来たら高杉さんにばっかり夢中でいられなくなるんじゃない?」
「心配しないで。
彼もアイヴィーのファンだから。
これからは二人で仲良くライブに行くよ。」
「マジか!?超アツイじゃん!!」
「当たり前でしょ。
アイヴィーが好きな私を受け入れてくれる人じゃないと嫌だもん。」
「それ超大事だよね。
私も結婚するならアイヴィーのファンが良いな。」