第9章 甘い嘘●
思わず顔が赤くなってしまった。
そんな私を見て、二人はお腹を抱えて笑い出した。
高杉さんが佐久間さんにキス…。
人前で一体何をやっているのだろう。
狼のような高杉さんに狙われてしまう、か弱い子羊のような佐久間さんの姿が容易に想像出来る。
しかし、高杉さんと初めて会ったあの日。
高杉さんはこう言っていた。
“俺はサクちゃんの彼氏”
あの言葉もあながち間違いではなかったようだ…。
「高杉さんって変態ですね。」
そう冷たく言い放ってしまった私の言葉に、二人はまたお腹を抱えて笑った。
「そうだね、まなみんには悪いけど高杉さん変態だね。」
「ちょっとやめてよ!!
高杉さんをバカにしないで!!」
「でも、高杉さんは誠実だよね。」
「そうそう。とっても誠実な人。」