第9章 甘い嘘●
「橘先生、覚悟して聞いてね。」
「あっ…はい。」
「アイヴィーの魅力…その一つはエロさなの!!」
「えっ?」
「もう、語彙力がなくて本当に申し訳ないんだけどね、曲やステージングには大人の男性が醸し出す“ねっとり”としたエロシズムがあるの。
もう私達はそれに興奮しちゃうんだ。
もともとアイヴィーってメンバーがみんな地元の幼なじみでさ、わちゃわちゃした仲の良さみたいなものもあるんだけれど、その中でも高杉さんとギターの佐久間さんはプライベートで本当に付き合ってるんじゃないかっていうほどの絡みをステージでするの。」
「…絡みって何をするんですか?」
佐久間さんの名前にドキリとしたが、愛美先生の話に引き込まれてしまっていた。
高杉さんと佐久間さん。
二人は一体ステージ上で何をするのだろう…。
知りたい事が多すぎる。
「高杉さんね、佐久間さんにキスするよね。」
そう笑いながら言ったのはユカさんだった。