第9章 甘い嘘●
「でもさ…」と、ユカさんは意味ありげに微笑む。
そんなユカさんと顔を見合せながら愛美先生も笑った。
一体何がおかしいのだろう。
今までの二人の話を聞かせてもらい、アイヴィーの凄さというのが少し分かった気がした。
こんなにも二人を熱狂させてしまうアイヴィー。
今ならば無知な私にも分かる。
アイヴィーは日本を代表するロックバンドなのだろう。
「まなみん、橘先生に教えてあげなよ。
高杉さんの魅力を!!」
「え~、そう?
話す?話しちゃう?」
「高杉さんって…ボーカルのですよね?」
「そうそう。
私、高杉さんの大ファンなの!!」
愛美先生は食い気味でそう言った。
確か…高杉さんはアイヴィーのほとんどの作詞と作曲をしていると、インターネット百科辞典に書いてあった。
という事はドラマのエンディング曲であるInsomniaも、先ほど保健室でミュージックビデオを観させてもらったstrawberryも高杉さんが作った曲なのだろうか。