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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第9章 甘い嘘●


間奏が終わり、再びカメラは高杉さんを映す。



これは一体どういう事なのだろう。

“美容師ではなかった”

それだけは理解できる。



テレビ画面に映る高杉さんと佐久間さん。

驚きと同時に、その演奏とパフォーマンスに心が震えた。

心を射ぬかれたような…そんな不思議な気持ちに襲われる。





その瞬間、リビングのドアが開く音がした。





あまりにもテレビに夢中になりすぎて気付かなかった。



薄暗い部屋。

そこには仕事を終えて帰宅した佐久間さんの姿があった。



一体…何と声を掛ければ良いのだろうか。



佐久間さんはテレビ画面に映る自身の姿に気付いたのか、何を言うわけでもなく、ただテレビ画面を見つめている。



そろそろ曲が終わる。

私は意を決し、佐久間さんに尋ねた。



「あなたは…誰ですか?」



私の言葉に、佐久間さんは少し考える素振りを見せる。

そして、顔をクシャクシャにして笑いながらこう言った。



「ばれちゃったね。」



マイペースでつかみ所のない、謎多き年上男である佐久間さん。

そんな佐久間さんの正体は美容師ではなく、the IVYのギタリストだった。






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