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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第9章 甘い嘘●


◇◆◇



気が付けば、3月も半ばを過ぎようとしていた。

桜舞う季節。

今年も数百人の生徒を見送った。



毎年この季節は別れの寂しさよりも、“手を離れた”という安心感の方が大きかった。

卒業式で泣いた事などない。

…今年もやっと終わる。

そんな肩の荷がおりたような安堵感だ。



しかし、そんな私の心境も今年は大きく違っていた。



それは…小松加奈。

今のところ“彼女”も進級出来る見込みではある。



あれから私達はとくに立ち入った話をしてはいない。



相変わらず村瀬先生との関係は今でも続いているのだと思う。

「連絡くらいはしてほしい」と注意したにも関わらず、彼女は時々無断欠席をした。

それが村瀬先生とのデートの次の日であるという事はもう分かっていた。

決して口には出さないが、私は彼女が心配でたまらない。



“入れ込み過ぎないようにね”

そう言っていた愛美先生には悪いが、私は彼女の人生にとことん付き合うつもりでいた。






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