第9章 甘い嘘●
「私も小松さんの力にはなりたいと思うよ。
だからこそ保健室で昼休みを過ごしてもらってる。
でも、私達が出来るのはそこまで。
あとは小松さんが決める事。
私達は…どうあがいてもあと2年しか小松さんの側にいてあげられないの。
冷たいと思われるかもしれないけど、高校を卒業すれば私達は小松さんに関わってあげられない。
だからこそ、小松さんが小松さんの人生をしっかり歩めるようになって欲しいと思う。」
冷たいとは思わない。
言いたい事も理解している。
愛美先生には愛美先生の“生徒との関わり方”がある。
もちろん私にも私の“生徒との関わり方”がある。
いつも私の事を理解し、相談にのってくれていた愛美先生。
今日こうして愛美先生の意見を聞けた事は本当に良かったと思う。
愛美先生の言う通りにする事は出来ないが、一つだけ分かった事がある。
やはり彼女を…小松加奈を理解してあげられるのは私だけだという事だ。