• テキストサイズ

【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第9章 甘い嘘●


「…あの。」

「橘先生、あまり一人の生徒に“入れ込み”過ぎないようにね。」



私の言葉をさえぎるように愛美先生はそう言った。



「小松さんの事で頭がいっぱいなんでしょう?」

「はい…。」



愛美先生はふぅとため息をつくと、グラスのワインを飲み干す。

空いたグラスをテーブルに置く。

すかさずワインを注ごうとした私の手をさえぎり、愛美先生は真剣な表情を浮かべた。



「私達の仕事は、生徒を無事卒業させる事。
それだけ。

毎年数百人の生徒が卒業して、また数百人の生徒が入学してくるんだよ。

一人の生徒に入れ込んでしまっては身が持たないの。

橘先生の生徒は小松さんだけではないでしょ?」



愛美先生の言葉に戸惑いを隠せなかった。

確かにもっともな意見だとは思う。

私も彼女と出会う前まではそう思っていた。

しかし、私と彼女の関係はもはや教師と生徒の域を越えている。



それは…毎日昼休みを共に過ごしている愛美先生も同じだと、勝手に思い込んでいたのだ。






/ 768ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp