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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第9章 甘い嘘●


言葉が見つからない。



私は彼女に何と声をかけるべきだろう。

口を開けば、また彼女を否定してしまうような気がした。

しかし、どうすれば良いのだろう。

教師として、彼女よりも長く生きている女として…。



…やはり今の状況が彼女にとってベストだとは思えない。

私は彼女の恋を応援する事など出来ない。

無理矢理にでも村瀬先生と別れさせる方が彼女のためなのか。



しかし、彼女は頑固だ。

「はい、そうします。」と受け入れてくれるような相手ではない。

心を閉ざし、一人で考え込んでしまったら…。

彼女はどこか“危うさ”のような物がある。

ここはただ、彼女の心に寄り添うべきなのか。



「嘘くらいつけよって思った。

…そういう所が嫌い。大っ嫌い。」



彼女はそうつぶやく。



「そうだね。」



きっと彼女には私の声など届いていなかったのだろう。



テーブルの上のチョコレートパフェ。

アイスが溶けて器から滴り落ちようとも、彼女は窓の外をじっと見つめ続けていた。






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