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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第9章 甘い嘘●


閉店後の喫茶店の前には一台の車が止まっていた。

運転席にいたのは見知らぬ男。

薄暗い店内から現れた母は、そのまま車の助手席へと乗り込んだ…。



あまりにも似通った状況。

しかし、車の運転席にいたのは彼女の“恋人”である村瀬先生だ。

私の時とは関係が違いすぎる。



「付き合ってもう10年近く経つのに、今でもああやって休日にわざわざ車で職場まで迎えに行ってデートしてるんだよ。

ウケるよね。」



彼女は吐き捨てるようにそう言った。

頬杖をつき、視線を落とす。

いつもよりも大人びた顔。

普段はしていない化粧のせいだったのだと今さら気付いた。



「ねぇ、どうして村瀬先生と…“あの人”の事をそこまで知ってるの?」



“婚約者”ではなく“あの人”と言ったのは私なりの気遣いのつもりだった。

彼女は村瀬先生と婚約者の事をどこまで知っているのだろう。

そしてそれは誰から聞いた事なのか。

まさか村瀬先生の自宅から後を追って来た…というわけではないだろう。






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