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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第9章 甘い嘘●


呼び止めたからには、それ相応の理由があった…という訳ではない。

ただ反射的に彼女の姿を追い、名前を呼んでしまっただけだ。

しかし、彼女の事が気がかりであった事は確かだ。



私の頭の中には常に彼女がいる。

それは去年の9月。

学校の屋上でタバコを吹かす彼女を初めて見たあの日からだ。

あの日から、彼女は私の中にずっと居座り続けている。



そして数日前、彼女に言い放ってしまった言葉。

“そんなのおかしいよ”

私は彼女の恋を…彼女自身を否定してしまったままなのだ。



まさかこんな所で会うとは思ってもいなかったが、これはもしかすると話をする良い機会なのかもしれない。

学校では愛美先生の存在もあり、なかなか立ち入った話が出来ない。

こうして学校を離れ、二人きりで一度話をしなければいけないと思っていた。



彼女の本心を聞けるかはどうかは分からないが、少し私に時間をくれはしないだろうか…。






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