第8章 身体の関係●
“帰って来たらしよう”
そう約束はしていたが、朝から“そういう事”をするのにはどこか抵抗があった。
外はすでに明るい。
カーテンの隙間からは朝の日差しが差し込んでいる。
やはり私は自分の顔やスタイルに自身が無い。
夜ならば明かりさえつけなければ誤魔化す事が出来ると思っていた。
しかし、早朝の寝室は思っていたよりも明るい。
そっと目を開けると、壁に掛かっている時計の数字もはっきりと見えるほどだ。
身体を見られ、幻滅されたら…。
そんな事を思うと、自然と佐久間さんの口付けを拒んでしまっていた。
「…ごめんなさい。」
「いや、どうかした?」
「あの…」
「俺だって…これ以上我慢出来ないよ。」
「え?」
「昨日、ずっと待ってたからさ。」
佐久間さんはフッと笑うと、私の頬にキスをくれた。