第8章 身体の関係●
そっと目を閉じると、唇に柔らかな感触がした。
それは佐久間さんの唇。
優しい口付けに心が震える。
「…朝からごめんね。」
佐久間さんはそう小さくつぶやくと、私の唇を割り、そっと舌を挿し込んできた。
身体を少しのけ反らせてしまったのは不慣れだったからではない。
佐久間さんの甘く激しいキスがあまりにも気持ちが良かったからだ。
こんなにも優しく…そして淫らなキスを私は知らない。
「…んっ。」
思わず声が漏れてしまった。
恥ずかしさからか、頬が熱くなるのが分かった。
しかし、熱くなっているのは頬だけではない。
唇が、手のひらが、腰が、脚が…佐久間さんに触れている全ての部分が熱を帯びる。
佐久間さんの唇が首筋に触れる。
キス以上の事を望んでいる…そう思った。