第8章 身体の関係●
私も隣で少し横になろうか。
昨日は結局、愛美先生の美容講座でほとんど眠っていない。
シャワーを浴びてから…とは思うが、疲れからかもう動きたくはない。
このままここでスーツを脱ぎ、ベッドへ入ろう。
佐久間さんを起こさぬよう、私はシャツと下着だけになり、ベッドへと潜り込んだ。
その瞬間、隣で眠る佐久間さんが寝返りをうった。
起こしてしまっただろうか。
慌てて眠ったふりをする。
しかし、隣から聞こえてきたのは気持ち良さそうな寝息だ。
そっと目を開け、佐久間さんの様子を伺う。
毛布からのぞく顔がこちらを向いていた。
年齢を感じさせない、少年のような寝顔。
柔らかそうな黒髪は思わず撫でたくなってしまうほど愛らしい。
ゆっくりと手を伸ばし、佐久間さんの頬に触れてみる。
フワリとした肌に、顎へとつながる髭。
何て色気があるのだろう。
毎日見ても慣れる事がない。
今も私は佐久間さんに緊張してしまう事がある。