第8章 身体の関係●
私の根本にあるのは圧倒的な自信の無さだ。
他人に勝る物など何一つ無い。
顔が綺麗な訳でもなければスタイルが良い訳でもない。
根暗な性格で笑顔も少ない。
消極的になってしまうのは、もはや私の“特技”になりつつある。
「今日は私だって忙しいんだからね。」
「これから…出掛けるんですか?」
「出掛けるのは明日。
デートする事になったの。
この前話した“好きな人”と。
だから今日はその準備をしたいの。
服だって決めたいし、パックもしなきゃ。」
声を弾ませる愛美先生がキラキラと輝いて見えた。
誰からも愛される素敵な大人の女性。
そんな愛美先生の嬉しい報告。
卑屈になっていた心が一瞬にして沸き立った。
「何か…嬉しいです。」
「ありがとう。」
「上手くいくと良いですね。」
「えぇ。
もしかしたら橘先生達よりも先に結ばれちゃうかも。」
そう、いたずらに笑う愛美先生につられて私の顔からも笑みがこぼれた。