第8章 身体の関係●
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「これ美味しいね。」
「…ありがとうございます。
煮物は昔から祖母に作り方を教えてもらっていたので。」
「良いお嫁さんになれそうだね。」
「え?」
「ごめん…今のは褒め言葉。
失礼だったかな?」
「いえ…嬉しいですよ。」
他愛のない会話で笑い、食事をする。
美味しそうにおみそ汁を飲む佐久間さんがどこか色っぽく見えた。
それはきっと喉仏だろうと思う。
髭のせいもあり、とてもセクシーな口元だ。
今まではあまり意識をせずに見ていたが、これからの関係によっては至近距離で見る事になる。
いや、それどころか触れる事になるかもしれない。
夢のようだった佐久間さんの恋人。
今後の事を考えると、毎日ドキドキしながら暮らさなければいけないというのは案外居心地が良いだけのものでもなさそうだ。