第8章 身体の関係●
今まで自分の話ばかりをしていた事に気が付いた。
興味がなかったわけではないが、あまりプライベートな事を詮索するのは失礼だと思っていた。
私達は友達ではなく、ただの同僚。
愛美先生から話さない限りは聞くべきではない。
そう思っていた。
しかし、今は違う。
愛美先生と話す事で私が救われたように、私も愛美先生の力になりたいと思う。
こんな私でも、話を聞くくらいは出来る。
私達は同僚でもあり友達でもある。
今はそう強く思っている。
「あの…私でよければ聞かせて下さい。」
「ありがとう。
実はね、先月福岡に行った時に知り合った人なの。」
福岡…。
確かに愛美先生は先月、有給休暇を取り、福岡へ出掛けていた。
佐久間さんも同じ日程で福岡へ出張に行っていたからよく覚えている。
お土産にもらったのは同じ明太子。
有名な観光スポットでのイベントでもあったのだろうか。
その時はそう思っていたが…。