第8章 身体の関係●
「気負わずにね。
焦らなくても良い事だと思うし。
でも、好きな人とは早く結ばれたいと思うよね。」
愛美先生は、ふぅとため息をつくようにつぶやいた。
少し寂し気な表情が気になった。
こうして今まで愛美先生とは何度も仕事帰りに食事をしてきたが、愛美先生自身の恋愛についてはあまり聞いた事がない。
…何かあったのだろうか?
もしかすると、愛美先生も私と同様に恋愛の事で悩んでいるのだろうか。
「愛美先生はどうなんですか?」
「え?私?」
「はい。あまり聞いた事がないですけど。」
「私は…いるよ。好きな人。」
「そうだったんですか。」
「うん。
でも、忙しくて会えなくてね。
ちょっと寂しい。」
愛美先生は小さく笑った。
会えない寂しさ…。
比べる事ではないが、きっと私よりも愛美先生の方が辛い恋をしているのかもしれない。