第8章 身体の関係●
確かに愛美先生の言う通りだ。
全てを相手に委ねるような…“受け身”の恋愛をこのまま続けていてはいけない。
私達は恋人なのだから、私にも“コマ”を進める事が出来る。
佐久間さんにその気がないのであれば、私がその気にさせればいいのだ。
しかし、経験の少なさからか“誘い方”など分かるはずもない。
それなのに歳はある程度重ねてしまっているから厄介だ。
「例えば…彼がお休みの前日とかが良いんじゃない?
二人で映画でも観ながら少しお酒を飲んで…。
キスくらいなら橘先生でも出来るでしょ?
あとは成り行きというか…。」
愛美先生は言葉を選びながら、必死にアドバイスをしてくれている。
やはり私とは違う素敵な大人の女性だ。
愛美先生の言うように雰囲気を作るのが大切なのだと思う。
恋愛物の映画でも観れば、少しは雰囲気が出るだろうか。
ワインを飲みながらソファーに座り、コロを撫でながら寄り添い合う。
想像しただけでも顔が赤くなってしまった。