第8章 身体の関係●
「“何も”って?」と、愛美先生は笑い出す。
また、おかしな話をしてしまっただろうか。
しかし私にとっては大切な事だ。
決して自分に自信があるわけではないが、女性としての小さなプライドのようなものはある。
何か私に問題があるのではないか…。
ここまで進展がないのだから、私に女性としての魅力がないのかもしれない。
「でも、キスくらいはしたでしょ?」
「それは…。」
「大人のキス。した?」
「キスは…しました。…額にですけど。」
私の言葉に、愛美先生はふふっと笑う。
言いたい事は何となく分かった。
これじゃあ、まるで中学生の恋愛だ。
手を繋いで眠り、額にキスをするだけ。
それだけでも充分幸せではあるが、今はもっと先へ進みたいと思う。
私の恋は欲張りだ。
やはり佐久間さんと身体の関係を持ちたいと思う。
「自分から誘ってみれば?」
「そんな事…。」
「別に恥ずかしい事じゃないでしょ?」