第8章 身体の関係●
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もし、私が“恋人と身体の関係がないの”と相談を受けたら“きっとあなたの事を大切にしたいと思ってるんじゃない?”と応えるだろう。
しかし、これは私自身の話。
マイペースな佐久間さんと私の話だ。
高杉さんが部屋を後にした直後、佐久間さんは大切そうに紙袋を抱えながら帰って来た。
私が立ち入る事を禁じられている部屋に数分こもり、「お腹が空いた。」と子供のように笑いながらリビングへと現れた。
“どこへ行ってきたんですか?”
そう聞こうと思ったが、佐久間さんの笑顔があまりにも可愛いくて気が引けた。
高杉さんの言葉に影響され、疑うようで嫌だった。
私は佐久間さんを信じている。
お互い恋人である事を確認した今ならば、この先の展開もあるのではないか。
もしかするとそれは今夜かもしれない…。
そんな事を思いながら過ごす事、一週間。
私達の関係は何の進展もなく続いている。