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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第2章 高校教師


「………手…貸してもらえますか。」

低くしゃがれた声で、男はそう応えた。

まるでため息のようなか細い声。

今にも消えてしまいそうなその声に、私はなぜか親しみを感じた。

痛々しい男の姿に、自分の心情が重なった。

自分と“同じ側”の人間。

この男も私と同じように、無機質なプラスチックの街に飲み込まれた人間なのかもしれない。



「立てますか?」

わずかに上体を起こした男の腕を両手でつかむ。

相変わらず男の身体からは酒の匂いが漂ってきた。

その匂いに混じり、わずかに香水のような香りがした。

男性が好みそうな甘くスパイシーな香り。



男はふらつきながらも何とか立ち上がると、大きく咳き込みながら、私の身体へともたれかかる。

細身で長身の男。

そんな男の脇へと入り込み、不安定な身体を支えた。



「………すみません…2階まで…。」

うわ言のように男はつぶやいた。






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