第7章 想い
おかしいもなにも、教師と生徒がそこまでの関係になっているとは思っていなかった。
いや、彼女が“付き合っている”と言っているのだから、身体の関係があっても当然の事か。
彼女は子供ではない。
中身の未熟さはあれど、身体は成熟した大人だ。
それならば、尚更村瀬先生に恋人がいる事は大きな問題だ。
一体村瀬先生は何を考えているのか…。
彼女を傷付けるような真似は絶対に許さない。
怒りと嫌悪感。
彼女が村瀬先生に惹かれる理由がわからない。
「見つからないようにさ、郊外でデートするんだよね。」
「…うん。」
「最初は寂しいなと思ったけど、今はもう慣れちゃった。」
「…そう。」
「最初は悪い事してるような気がしてドキドキしてたけど。
今は当たり前になっちゃったんだよね。
だからもう罪悪感もない。」
「…罪悪感?」
「そう。
村瀬先生、彼女いるからさ。
よけいに“見つかっちゃ”いけないの。」