第7章 想い
ソファーでは佐久間さんが毛布にくるまって眠っていた。
お腹の上にはコロを乗せている。
あまりにも穏やかな寝顔。
その寝顔にキュッと胸が締め付けられた。
一体どんな夢を見ているのだろうか。
きっと幸せな夢に違いない。
初めて会ったあの日の朝も、こうして佐久間さんの寝顔を眺めていた。
名前も知らぬ謎の男だった佐久間さん。
それが今では私の恋人だ。
あの日、もし私が佐久間さんを助けていなかったとしたら…この幸せな日々にはたどり着けなかったのだと思う。
偶然という名の必然。
いや、必然という名の偶然か…。
どちらにせよ、互いを引き合わせる何かがあったからこそ、今ここでこうしているのだ。
気持ち良さそうに眠る佐久間さんの横へとしゃがみこむ。
まるで微笑んでいるかのような寝顔。
ずいぶんと年上なのに、可愛いらしく感じてしまう。
愛しい愛しい佐久間さん。
「おはようございます、佐久間さん。」
私は佐久間さんの額へと優しくキスをした。