第7章 想い
「ねえ、このまましちゃおうか?」
「するわけないじゃないですか。」
「朝は駄目なの?」
「そういう問題じゃないです。」
「サクちゃん起こして三人でする?」
「ふざけないで下さい!!」
リビングのソファーで眠っているであろう佐久間さんに気付かれぬよう小声で話すも、高杉さんのあまりにも常識を欠いた言葉に、思わず大きな声を出してしまった。
こんな所を佐久間さんに見られでもしたら、きっと幻滅させてしまうだろう。
それだけはどうしても避けたい。
こうなったら無理矢理にでも手を離してもらわなければ。
ベッドから起き上がり、私の手を握っている高杉さんの手を強く掴んだ。
「先生、もっと優しくしてよ。」
「あなたに優しくなんて出来ません。」
「怒ってるの?」
「怒ってます。」
高杉さんはしぶしぶ手を離してくれた。
「寂しいなあ~。」と甘えた表情を浮かべながら毛布の中へと潜っていく。
朝から余計なやり取りをし、気分が悪い。
やはり私は高杉さんが苦手だ。