第7章 想い
話の内容から、二人が学生時代からの友人である事はわかった。
“問題児の高杉さんの横で、優しくはにかみながらフォローする佐久間さん”といった関係が容易に想像出来る。
それはきっと今も変わらないのだろう。
無茶苦茶だと思っていた高杉さんの言動も、佐久間さんが間に入る事で気にならなくなってしまっていた。
“良きパートナー”とでも言うのだろうか。
案外高杉さんは面白い人なのかもしれないとさえ思えた。
「先生って料理上手いんだね。
俺、ちょっと見直しちゃったよ。」
豆乳鍋の鶏団子を頬張りながら、高杉さんは言う。
“先生”と呼ばれる事に多少の気持ち悪さを覚えたが、佐久間さんも私の事を“先生”と呼んでいるのだから当然かと思う。
空いた器に煮えた野菜をよそいながら、小さく「ありがとうございます。」と返した。
「先生の作るカレーも美味しいんだよ。」
「サクちゃん、カレー好きだもんなあ。」
「今日の昼もカレーだった。」
「食べてたね。」