第7章 想い
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キッチンに立ち、夕食の支度をしてみるも、頭に浮かぶのは彼女の事ばかりだった。
小松加奈。
愛美先生が言っていた事と、今日彼女が欠席した事とは何か関係があるのだろうか…。
考えれば考えるほど、嫌な方向へと思考は傾く。
今は食事を作る事だけに集中しよう。
そう思い、土鍋へと切った野菜を並べていく。
佐久間さんからはもうすぐ帰ると連絡がきた。
今日は簡単な鍋料理。
寒さが厳しくなるこの季節、きっと佐久間さんも喜んでくれるだろう。
足元ではコロが美味しそうにキャットフードを頬張っていた。
「もうすぐ佐久間さんが帰って来るからね。」
そう話しかけるが、コロはいつものようにキャットフードを食べ続ける。
鍋を火にかけ、時計を見ると午後8時。
遅めの夕食ではあるが、佐久間さんと過ごす事が出来る唯一の時間。
今日は何を話そうか。
相変わらず、胸のときめきは今も続いていた。