第7章 想い
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「“大切”って言う事は“付き合ってる”って事でよろしいですか?」
そんな理詰めにするような事は聞けなかった。
あの日、私達はいつものように食事をし、同じベッドで眠りについた。
朝目覚めると、佐久間さんは気持ち良さそうな寝顔を浮かべながら、私の左手を握っていた。
“俺は先生が大切”
“好き”でもなければ“愛してる”でもない。
“大切”という言葉を選んだ真意…。
嬉しかったはずの佐久間さんの言葉は、私の中で新たな疑問符を生み出していた。
保健室のドアが開く。
愛美先生がお手洗いから帰って来たようだ。
佐久間さんとの出来事を愛美先生にはまだ話してはいない。
きっと、また心配事を増やしてしまう気がした。
愛美先生は保健室のドアを閉めるなり、曇った表情を浮かべる。
「今日…小松さん、欠席してるみたいなの。
何か知ってる?」
「いえ…。」
「そう。
このところ順調に登校してたから、何かあったのかな?」