第7章 想い
佐久間さんの言葉に、胸の苦しさが増した。
…ならば、佐久間さんの気持ちを私にも教えてほしいと思う。
どうして私と暮らしても良いと思えるのか。
コロの世話や食事の支度だけじゃない何かがあるはずだ。
手を繋ぎながら眠るという事は、私に好意を持ってくれているからだと信じたい。
「…佐久間さんは、私の事どう思っているんですか?」
声が震えた。
追求するかのような私の言葉に、佐久間さんは腕を組み、黙りこくってしまった。
困らせてしまっただろうか。
重たい女と思われてしまっただろうか。
しかし、このまま曖昧な関係を続けるには心がもたなくなっていた。
私は佐久間さんの恋人になりたい。
愚かな望みだろうとかまわない。
私は…佐久間さんが愛おしくてたまらないのだ。
佐久間さんは大きく、ふぅと深いため息をつく。
そのため息に、恋の終わりを感じた。
出過ぎた事を言ってしまった。
再び胸を締め付けたのは激しい後悔だった。