第7章 想い
“ここに住めば?”
そう佐久間さんから提案されてから、自分なりに考えてはいた。
セカンドハウス。
そう佐久間さんは言っていたが、男性と暮らすという事に変わりはない。
佐久間さんへの想いに迷いはないのだから、本当であれば「はい、すぐにでも。」とうなずきたいところだ。
しかし、今の私達の曖昧な関係ではどこか不安がつきまとう。
やはり確かな“何か”が欲しい。
私達は“恋人”。
そう安心出来る確かな関係が欲しいのだ。
「そうですね…」と話を濁す。
しかし、そんな私にも佐久間さんは屈託のない笑顔を見せた。
「引っ越し業者なら俺が手配するよ。」
「いえ…そんな。」
「ここで暮らすのは嫌?」
「そういう訳ではないですけど…」
「顔が“嫌だ”って言ってる。」
「嫌ではないです。」
「じゃあ、何か問題でも?」
「それは…」