第2章 高校教師
男はただの酔っ払い。
いずれ目が覚めるだろう。
そうと分かれば関わらないに超したことはないと、私はコンビニへ向かう。
何と人騒がせな男だろう。
きっと吐き気を催した酔っ払いがアパートの敷地内で休んでいたに違いない。
現に近くの公園では、酔っ払った大学生がベンチで寝ている姿をよく目撃していた。
コンビニで水を買う。
1リットルの水を2本。
そして、500ミリリットルの水を1本。
アパートに戻ると、そこにはまだ膝を抱えてうずくまる男の姿があった。
一体いつからそこにいるのだろう。
買ってきた500ミリリットルの水を男の足元へ置く。
これ以上男に関わるつもりはなかったが、この男にどこか同情してしまったのだと思う。
ここまで酒に溺れたくなる気持ちが、分からなくもなかったからだ。