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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第5章 条件


気が付けば、車は高層ビルやタワーマンションが建ち並ぶエリアを走っていた。

普段であれば絶対に近付く事のない場所。

経営者や政治家、芸能人などが多く住むとされる場所だ。



どこまでも住む世界が違うのだなと、諦めにも似た感情がわく。

それと同時に、佐久間さんが普通の“美容師”ではないのだという事がなんとなく分かった。

…経営者。

だとすれば、県外への出張も納得出来る。

どちらにせよ、私が隣にいても良い相手ではない。



車はタワーマンションの地下駐車場へと入っていく。

ここが佐久間さんの自宅か。

全てが謎だらけであった佐久間さんの私生活。

知りたかったはずなのに、どこか複雑な心境だ。



知れば知るほど、佐久間さんと私との距離が明白になっていくような気がした。

現にこうして生活レベルの違いを痛いほど感じている。

それでも、佐久間さんへの恋心は変わらない。

こうして時々会えるだけでもいい。

佐久間さんの恋人になりたいとなどという“おこがましい”考えは…ない。






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